出店候補地の商圏調査・店舗開発のGISベンダー最強はESRI(エスリ)

ESRIジャパンのGIS最強説

「絶対に1年もたたずに撤退する物件」が多いにも関わらず懲りずに次のテナントがはいってくる。

地域視点からすると、ここに出店するチェーン店はことごとく撤退していくな…という高リスク物件があるのだが、そういった情報は共有されていない。

店舗候補地として失敗物件をつかまないようにするためにはどうすればいいのか?

よく言われているのが”一等立地の中での二等地”の開拓で、コストに対するリターンが見込める。

だが、究極的にいえば良い物件かどうかは出店してみないと100%は分からないので、対策として飲食チェーン経営のヨシックスのように、自社で建築事業部を抱える経営スタイルをとっているところもあるぐらいで、また、飲食チェーン店は業態変更によって失敗した立地をカバーすることは多少できる(価格帯の違う業態など)。

ヨシックスIRによる出店戦略

しかし、こういった戦略をとれるケースはごくわずかだ。

出店候補地の商圏調査・店舗開発にはどのGISを使うべきか

店舗開発の商圏調査として出店候補エリアの商圏データ(人口・購買力)、客層、周辺の競合店、他のテナント、様々なファクターを自社データとして修正し精度を高めて各社がそれぞれ保有している状況だ。

企業によって顧客層は全く違うので完全な”規格化”はできないものの、コストと競争力を照らし合わせて良い物件かどうかはほとんどの場合、共有できるデータのはずで、各社それぞれが調査リソースを必要以上に割くのは非常に非効率なコストでしかない。

そこで、ある程度調査リソースを省コストするために、商圏分析GIS(エリアマーケティングGIS)を自社開発しているところもあれば、GISベンダーに外注しているところも多い。しかしオールドタイプのシステムが多く、結局は現地調査頼みになる。GISベンダーが出店候補地の物件のビッグデータをまとめあげて、AIでリコメンドするぐらいのサービスを出してもいいものだが。

…と、商圏分析の外部化をまともにできそうなところを探していたら、やはり日本だとESRIジャパン(エスリジャパン)が最強だなと結論づけた。

世界最大シェアのGISベンダーであるESRIの「ArcGIS」はクラウド化もビッグデータ分析も可能だ(日本では未リリース)

ESRIは投資対象としても検討したが残念ながら上場していないため投資不可能だった。

ESRIのArgGISはGIS関連企業のエコシステムを形成しており、もはやプラットフォーム化しているので、他社を寄せ付けない汎用性を発揮している。

ESRIは米国で1969年に創業されたGIS(Geographic Information System:地理情報システム)企業で、日本法人はESRIジャパン。店舗開発担当者は要チェック。

GISビジネスはESRIのArcGISプラットフォームの上のソリューションに統合されていく

エリアマーケティング会社や、店舗候補地調査会社などもあるが、それぞれの案件で個別に動くワンタイム・リソースであって、非常に効率が悪い。

ESRIのようなGISベンダーのプラットフォームの上にのっかったソリューションを使うのが効率がよくなってくるだろう。

ドライブレコーダーの標準化などが進む中で、将来的には360°レコーダー搭載の自動運転車が徘徊する社会が到来し、現在進んでいる物件の内覧をVRで行うことで移動コストを削減する取り組みのように、ある程度MAPで一般的なデータで絞り込んだエリアをVRで事前視察するなどの省コスト化も進んでいくだろうし、そういったデータもESRIのようなクラウドGISプラットフォームに統合されていくはずだ。

良い物件は外部からは分かりづらいが、悪い物件は店舗回転率から想定できるはずだ。

結局、GISとしてのデータに対し、各社の出店候補地フィルタで必要な追加データはそれほどない。

汎用的でデータも次々とGISプラットフォームに統合され、ほとんどの出店候補地調査会社はビジネスを奪われていくのではないだろうか。

意外に欠けているデータも、第三者企業がArcGISのようなプラットフォームでレイヤーを重ねていけばいい。

例えば、店舗回転率の高さ=テナント定着率の悪さ。

店舗回転率の高い用地は何か問題がひそんでいる可能性が高く、テナントのビッグデータを持っている企業がESRIのGISのプラットフォームで周辺ビジネスを形成して販売したり、効率的に店舗候補地を開拓できるサービスが提供できるようになるのではないだろうか。

記事冒頭のような”魔の出店用地”に出店するリスクは多少軽減できるはずである。

ESRIのプラットフォームの良いところは、最初からGISを構築する必要がなく、他社がデータやソリューションを持ち込むことによって相乗効果を得ることができるというもの。

店舗回転率データと同様に、前述のように、飲食チェーン店の業態変更も苦戦のシグナルで、データに取り込めるだろう。現在出店されていないが出店が想定されそうな競合店のデータも現在の出店状況から推測できるだろうし、そのあたりを各社それぞれで人力でやっていたらリソースの無駄遣いなので、どこかのスタートアップかテナント情報ホルダーがこういったビジネスをESRIのプラットフォーム上で展開してくれれば、店舗候補地をめぐる非効率な情報収集を「見える化」して便利になるのだが。

クラウド・プラットフォーム時代のビジネスは「関所ビジネス」としてのプラットフォームとコンテンツホルダーの共生で(例. iPhoneのAppStoreとアプリのエコシステム・手数料関係)その1つの例として、意外に知られていないGISベンダーがプラットフォーマーとして進化していることを取り上げた。

当ゆるいサバイバルガイドの中の人も、株式投資の対象として関所ビジネスかどうか、プラットフォーマーかどうかは重要視している。